【Tリーグ】「思いきって信じる選択をした」岡山リベッツ・上田仁 20181120

文・写真 マンティー・チダ

11月20日、岡山リベッツはT.T彩たまとサイデン化学アリーナで対戦し、マッチカウント2-3で敗れ、6試合終えた段階で2勝4敗とした。

岡山リベッツは敗れたが、十分に見せ場を作った。そのうちの1人が#15上田仁。第1マッチのダブルスは絶対の自信を持っていたが、T.T彩たま#0ウォン・チュンティン、#1吉村真晴組にフルゲームの末敗れた。「今までダブルスで勝ってから流れを作っていったが、負けたこと、1番を取れなかったことは痛かった。そこを取れれば第2マッチの選手(吉村和弘)が楽に試合できたかな」と話す。

第1マッチを失って、第2マッチも吉村和弘がフルゲームの末、T.T彩たま#20チョン・ヨンシクに敗れてしまった。もう後がない岡山は、第3ゲームで韓国のエース#81 イ・サンスがストレート勝ちで望みをつないだ後、上田が第4マッチに登場する。

第4マッチは、ホーム開幕戦を白星で飾りたいT.T彩たま・ウォンの前に、第1ゲームを接戦ながら9-11で失った。第2マッチに入っても、ウォンのペースで試合は進む。3球目でバックハンドストロークを決められ、上田のツッツキが甘く入ったところをフォアハンドドライブで抜かれるなど、このまま敗色濃厚の雰囲気になった。しかし、6-8と2点を追いかける展開で、岡山リベッツ白神宏佑監督はタイムアウトを要求する。「レシーブからの得点が出来ていなかったので、それをどうするか上田本人も迷っていた。ここ勝負だなと思って。上田も取りたがっていたし、ベンチも取りたかったので、息があってとれたかな。タイムアウトは難しい。旨く付き合っていくしかない」とその場面を語った。

上田はこのゲームを10-12で落として、ゲームカウント0-2ともうこれ以上落とせない中で、第3ゲームを迎えた。「上田は前半から飛ばしていくタイプではないので、安心してみていた」と白神監督が話すとおり、徐々にペースを掴んでいく。T.T彩たま・ウォンのチキータにもしっかりレシーブして、フォアハンドを決めるかと思えば、サーブも左右散らせながら主導権を握っていく。

第3ゲームを11-9で取り返すと、第4ゲームも出だしからラリーを制し、カウンターを決めていくなど勢いが増していく。ウォンのミスが増えていく中、上田はしっかりコントロールよくショットを決めて11-8で勝利し第5ゲームに持ち込む。こうなると、試合の流れは上田に傾いていく。6-6から始まった試合で、上田はチキータ、サーブで相手を翻弄すると、バックハンドストロークが炸裂しゲームカウントを獲得。ウォンにフォアハンドで1点返されたが、最後はチキータで勝負を決めてゲームカウント3-2で上田が逆転勝利した。

勝利した上田は、前回対戦した結果からウォンの対戦に臨んでいた。「前回対戦した時(10月27日)も2-2から最後10-12で敗れていた。競り合いの中で、信じる選択をすることができず、迷いながら試合を進めてしまって負けてしまった。後半からは、こっちに打たれても仕方ないぐらいの勢いで半分捨てて、思いきって信じる選択をしたことが徐々にはまり、相手にプレッシャーを与えられ良い方に作用した」と後半の逆転劇について冷静に振り返る。

さらにコントロールを重視したようだ。「ウォン選手はフォアもバックもそれなりにできる選手で穴が無い。だからサーブのコースを散らばせ、的を絞らせないようにし、良い状態で1球目のボールを打たせないようにした。最初は相手に攻められたので、良い展開が作れなかった」と話す。

「相手もどんどんやり慣れてくると研究してくるし、前回勝てたからと言って勝てるものではない。いかに対応を早くして、戦い方を瞬時に変えていけるか、気持ちを切り替えるかがこれから大事になってくる」

団体戦で戦っていく中で、その日の状況次第で結果が変わってくるのが卓球の面白さでもあり、醍醐味でもある。岡山リベッツも上位進出を狙うためには。その場の判断力が求められるのかもしれない。

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