【Tリーグ】「平野のおかげで吉村真晴をダブルスで起用できた」T.T彩たま・坂本竜介監督 20181120
文・写真 マンティー・チダ
11月20日、T.T彩たまはホーム開幕戦をサイデン化学アリーナで迎え、岡山リベッツをマッチカウント3-2で下し、ホーム開幕戦を白星で飾った。
T.T彩たま・坂本竜介監督は、ホーム開幕戦を終えて「テレビの中継もあって、スポンサーさん、ファンの前で意地でも負けるわけにはいかなかった。心が疲れましたね」とほっとした表情を浮かべた。
坂本監督はこの日の試合で敗れはしたが、最初に#33平野友樹の名前を挙げた。「前回のKM東京戦で素晴らしい活躍をしてくれた。彼が勢いをもたらしてくれるのではないか、彼の勢いが欲しかった。敗れはしたが、彼が出たことに意義がある」と称えた。世界ランク7位で韓国のエース。岡山リベッツ#81イ・サンス(李尚洙)相手にストレートで敗戦したが、第1・第2ゲームはいずれも9-11で接戦を演じていた。
平野をシングルスで起用できるめどができたことにより、ダブルス起用の選択肢が増えたことも勝因だった。この日は#0ウォン・チュンティン(黄鎮廷)と#1吉村真晴がペアを組む。
吉村真晴と言えば、ダブルスにおいて世界で結果を残している。2017年の世界選手権では、石川佳純と組んだ混合ダブルスで金メダル、丹羽孝希と組んだ男子ダブルスでも銀メダルを獲得している。「ダブルスができる選手が多いので、いろんなパターンでダブルス練習をしている。団体戦はダブルスを勝たないと難しい。その中で吉村真晴をダブルスに起用したというのはある」と起用した意図を語った。「シーズンが長いので、相手にダブルスを絞らせたくなかった。次は何が出てくるのかというのも面白いかな?」と坂本監督はダブルスの重要性を強調した。
相手の#15上田仁・#45森薗政崇ペアは、この日まで3ゲーム出場し一度も負けていなかった。相手のペースにさせないためにとった作戦が、吉村のダブルス起用だった。
第1ゲームでは、森薗のチキータを意識するあまり、ミスが増えていた。「2ゲーム目からストップレシーブで行けと。森薗のチキータは怖いけど、怖がるのではなく、わざとチキータをさせて待てと指示した。みんな怖くてチキータを防ごうとするが、森薗のチキータからどう攻めるかを考えていた。どういうサーブでもチキータはできるから。チキータの威力を抑えることに注視した」と話す。
第2ゲーム目はそれが功を奏したのか、5連続得点もあり優位に試合を進めゲームを取り返すと、最終ゲームは11-9と接戦を制し、上田・森薗ペアに初めて土をつけた。
そして、第2マッチはT.T彩たま#20チョン・ヨンシク(鄭 栄植)が岡山リベッツ#20吉村和弘にフルゲームの末、勝利する。
ハーフタイム後、平野、ウォンと敗れ、決着は第5マッチ(ビクトリーマッチ)までもつれ込む。T.T彩たまは迷うことなくチョンを起用。「イ・サンスにはほとんど勝っているので、できればチョン・ヨンシク、イ・サンスを2番マッチで勝負させたかったというのはある。Tリーグの醍醐味で、韓国エース対決が日本のTリーグで見られることは面白いのでは」とTリーグの魅力も付け加えた。
「うちのチームは一番団結力があって、結束力もある」と坂本監督は自信を持って話す。「もちろん勝つことも重要だが、あのチームだから応援したい、ファンになりたいと思ってもらえるチーム作りはポジティブにできる。満足はしていないが、間違いなくポジティブな方向に進んでいると思う」と地域に根差したチーム作りは少しずつ手応えを感じながら進んでいるようだ。
坂本監督の意表突いた選手起用も含めて、T.T彩たまの成長に期待したい。
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