【ノジマTリーグ】木下アビエル神奈川がTOP名古屋にストレート勝ち 20181222

文・写真 マンティー・チダ

12月22日、木下アビエル神奈川(以下KA神奈川)はトップおとめピンポンズ名古屋(以下TOP名古屋)とアリーナ立川立飛で対戦し、マッチカウント4-0で勝利した。

第1マッチのダブルスには、#15長﨑美柚と#51木原美悠ペアが、11月21日の日本生命レッドエルフ戦以来の登場。#3エリザベタ・サマラ、#12安藤みなみ組(TOP名古屋)と対戦した。

第1ゲームの出だしは互角に戦ったが、2-3からKA神奈川が木原のフォアハンドなど5連続得点で逆転に成功。TOP名古屋・安藤にフォア強打を許すなど2点を返されるが、木原のバックがネットインするなどKA神奈川が5点リードとし、先にゲームポイントを迎える。TOP名古屋も安藤が粘りを発揮し一気に2点差まで詰めるが、KA神奈川が11-9で第1ゲームを制する。

第2ゲームに入ると、KA神奈川が先行し、TOP名古屋が追いかける展開が終盤まで続く。9-9から先にKA神奈川がマッチポイントを獲得して、一気に勝負を決めた。結局11-8で第2ゲームを制し、マッチカウント2-0でKA神奈川が勝利した。

長崎・木原組の試合運びは、ほぼ完璧に近い形だった。「ジュニアの頃からペアを組んでいる」と話す2人。長崎が「いい試合ができた」と話せば、木原も「一番ダブルスを組みやすくて、最初から息が合っていてよかった」と満足そうだった。

第1ゲームで10-5から3連続で失点し、KA神奈川ベンチはタイムアウトをコールした。随分早いタイミングだったが、KA神奈川・劉燕軍監督は「3連続で失点していて、第1ゲームを取ると優位になると考えた。ここが大事だと思った」という理由で勝負に出た。結局、KA神奈川は粘り切って第1ゲームを獲得し勝利に繋げたが、プレーしていた両選手にこのタイムアウトについて問うと、2人そろって「正直要らなかった」と笑いながらコメントしたが、「ダブルスは3ゲームマッチで、第1ゲームが勝負ということでタイムを取るという考えになったと思う。それを受け止めてベンチに帰った」と長崎はその時の気持ちを素直に話した。

このペアでは久しぶりの出場となったが「挑戦者のつもりで、最初から仕掛けられたのが勝因」と話す。

長崎・木原組は、この日の勝利以降、4連勝とした。Tリーグの試合形式上、ダブルスで勝利を掴めば、その後は優位に試合を進めやすくなる。KA神奈川にとって、絶対的なダブルスペアができたというのは、今後を占う意味でも大きい。石川佳純らへの負担を減らすためにも、若手ペアのダブルスで勝ちパターンを構築していきたいところだ。

第2マッチにはエース#7石川佳純が登場し、TOP名古屋#89ウ・ウィンナム(呉穎嵐)と対戦。石川は、前週までワールドツアーグランドファイナルを戦っていたが、立ち上がりから疲れを感じさせないプレーを魅せる。サーブ権を獲得し、出だしから3球目をフォアハンドドライブでしっかり叩き込むと、2点目もフォアハンドで決めていく。その後1点は失うが、フォアハンド、バックハンドを巧みに操り、4連続得点とする。その勢いは終盤も続き、最後はバックハンドを2本続けて入れた。11-4で第1ゲームを制する。

第2ゲームに入っても最初から3連取でスタートした石川。全く危なげないゲーム運びで気が付けば8-1と大きくリード。最後はフォアハンドでカウンターを決めて11-3であっさりゲームを獲得した。

第3ゲームになっても3連取からスタートした石川。ラリー戦も制し、バックハンドの強打も確実に決めて、一気にリードを広げる。結局11-4で制し、マッチカウント3-0で圧勝した。

この日の石川は、出だしから落ち着き払っていた。試合終了後のインタビューでも、囲み取材でも「凡ミスも少なかったし、勝利しただけでなく、自分自身の良いプレーができた。ボールも慣れてきたし、Tリーグのおかげで試合も多くできるので嬉しい」と内容についても納得の様子だった。

グランドファイナルを終えて帰国してからも「普通に木下で練習を積んでいた」と話す石川は、休みなく練習に明け暮れていたことを明かした。「顔疲れていません?でも大丈夫です」と楽しそうに話す石川は、充実感あふれる表情をしていた。

石川に限らず、卓球のトップ選手はこれまで主に海外で試合を重ねてきた。1月に全日本選手権はあるものの、3月までワールドツアーはないため、海外の選手と実践を積む機会が乏しかったが、Tリーグが誕生したことにより、日本でトップクラスの緊張感を味わいながら試合勘を鈍らせることなく、日々を過ごすことができている。

そして、石川にとっては何よりも「ボールに慣れてきた」ことが大きいようだ。「慣れてきたことで、出だしから飛ばすことができている。慣れていない時は、調整しながら試合をしていたが、この日は出だしから振り切っていけた」と話す。

エースが盤石の動きをみせることで、チームに安心感が生まれる。ボールに慣れてきたことで、これから会心の卓球を見る機会がもっと増えそうな予感もした。

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