【Tリーグ】「ずっと苦しかった」琉球アスティーダ・丹羽孝希 20181124
文・写真 マンティー・チダ
11月24日、琉球アスティーダは木下マイスター東京(以下 KM東京)と青山学院記念館で対戦し、マッチカウント1-3で敗れ、7試合終えた段階で2勝5敗とした。
琉球アスティーダ#28丹羽孝希は、第1マッチのダブルスで#2有延大夢とペアを組み、0-2で落とした。第2マッチのシングルス戦に出場した #16チェン・ジエン・アン(陳 建安)も、KM東京#17張本智和に0-3とストレートで敗れ、この段階で琉球アスティーダは0-2とがけっぷちに追い込まれていた。
ハーフタイムを挟んで、丹羽は第3マッチに登場。相手は第1マッチのダブルスで敗れたKM東京#0水谷隼。「最近の結果を見ても、決して勝てない相手ではない」と考えていたという。
試合の立ち上がりは、それぞれサービスゲームから得点を挙げたが、水谷が丹羽のミスに乗じて4連続得点でリードをする。丹羽も3点ビハインドで踏みとどまると、水谷にタフショットを打たせてショットアウトにするなど、3連続得点で同点まで持ち込む。水谷に9点目を許した丹羽だったが、フォアハンドの強打を決めると、最後は速いテンポで打ち込み、2本連取で一気に第1ゲームを獲得。
第2ゲームに入っても第1ゲーム終盤の勢いから、丹羽がラリー戦を制するなど序盤から三本連取で優位に立つ。水谷もフォアハンド強打やバックフリックで応戦し、2点ビハインドで付いていくが、丹羽もフォアハンドドライブを決めるなどリードを守る。3点差を追いかける展開となった水谷は、バックハンドからきっかけを掴み、丹羽のフォアハンド強打に対して、そのまま打ち返すなど勢いをつけると、6連続得点し逆転に成功。丹羽もフォアハンドを叩き込み9-10とするが、最後ツッツキをネットにかけてしまい、11-9で水谷がゲームを取り返した。
第3ゲームは序盤2-3で追いかける立場となった丹羽が、チキータを巧みに使うなど4連続得点で勝ち越しをする。水谷もラリー戦を制するなど、2点差で食らいついた後は、チキータなどで8-8と同点まで持ち込む。同点に持ち込まれた丹羽は、気持ちを切り替えて得意のチキータなどで3連続得点とし、11-8でゲームカウント2-1とする。
第4ゲーム、丹羽がバックハンドで先制したが、後がない水谷が3連続得点でリードする。しかし、丹羽も打ち合いを制し、フォアハンド強打が炸裂するなど、逆転に成功する。逆転された水谷は、バックブロックを決めるなど、丹羽と拮抗した展開を進めていくが、水谷1点リードから、丹羽がフォアハンドなどで3連取して再びリードした。ここでKM東京ベンチはタイムアウトを請求。タイムアウトで気持ちを切り替えた水谷は、1点差まで追い上げていくが、丹羽はフォアハンドを軸にラリー戦を制し、強打を打ち込むなどでマッチポイントを迎える。水谷に1点を返されるが、最後は丹羽が逃げ切って、ゲームカウント3-1で水谷を振り切り、1マッチ取り返した。
琉球アスティーダ外間政克監督は「ダブルスで勝利できなかったがうまくかわされた。KM東京に対してはダブルスを取って初めて互角かなと。そして、丹羽が水谷に勝利し意地を見せてくれた」と一定の手ごたえを迎えたが、結局第4マッチでストレート負けを喫し、マッチカウント1-3で敗れた。丹羽は水谷から勝利をもぎ取った感想として「公式戦で久々に対戦してみたかった。全日本の合宿では『水谷さんお願いします』とお願いをして試合をしているが、全然勝てない。こういう試合で勝てて自信になった」と素直に喜ぶ。
しかし、勝ちに至るまでは「ずっと苦しかった」と本音を漏らした。第1ゲーム、第2ゲームはいずれも最後の数本で勝負が決まっていた。「中盤まで互角で、最後1・2本の駆け引きで、頭が疲れていた。水谷さんは頭が良いし、もうベンチのチュウさん(KM東京・邱建新監督)が驚異的で、KM東京と2試合負けているが、嫌なところばかりを攻めてくる。ベンチにチュウさんが座っているのは手ごわい」と試合中の心境を告白した。水谷のペースで試合が進んでいたことに関しては「自分が攻めている展開が多かったので、攻めるボールのコースを考えていた」と丹羽は話す。水谷相手に3-1で快勝し、大きな自信も手に入れたようだ。
一方の水谷は「久々の試合で、自分が予定していた展開となったが、凡ミスも多く、相手もしっかり勝負所で決めてきた。悪いように噛み合ってしまった」と反省する。「レシーブがうまくなっていて、サービスを持っているときに点数が取れなかった。それから徹底してサービスを自分のフォア前に集めてきたので良いレシーブが出来なかった」と丹羽の成長を認めた。
結局琉球は、マッチカウント1-3で敗れた。白神監督は「勝ち切るのは難しい。KM東京の選手からは、うまさ・強さを感じている」と分析した。Tリーグを戦う上で、いかにKM東京から勝利をもぎ取るかが、プレーオフをにらむ上で重要な要素になってくるのは間違いないようだ。そして、シングルスで水谷・張本からマッチを奪うことができるのかも大事なカギとなる。
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