【ノジマTリーグ】「大島とイメージをしながら今日を迎えた」T.T彩たま・吉村真晴　20181209

2018.12.19

文・写真　マンティー・チダ

12月9日、T.T彩たまは木下マイスター東京（以下KM東京）とアリーナ立川立飛で対戦し、マッチカウント2-3で敗れた。

第2マッチに登場した、T.T彩たま#1吉村真晴は、開幕戦以来となるKM東京#22大島祐哉と顔を合わせた。

第1ゲーム、先制点こそ大島に譲ったが、その後はフォアフリック、バックハンドを打ち切って、最後は速いサービスで3連続得点。しかし、ネットに引っかけてしまう場面もあり、大島に逆転を許す。5-7で2点差を追いかける吉村は、フォアハンドで豪快に打ち込むと、バックハンド強打、フォアハンドドライブでリードを奪い返す。最後はフォアハンドドライブ、バックハンドで得点を重ね、11-8でゲームを先取。

第2ゲームに入っても、吉村の勢いは続く。出だしから3連続得点で波に乗ると、4-2から一気に5連続得点、サーブからフォアハンドドライブを決めるなどで7点リードとする。大島に盛り返させる余裕も作らさせず、11-3で第2ゲームも制した。

第3ゲームに入ると、もう後がない大島が5連続得点でペースを掴む。しかし、フォアハンドドライブでラリー戦を制した吉村が、2点差まで詰めると、KM東京ベンチはタイムアウトを請求。大島も直後は1点をもぎ取るが、吉村が息を吹き返し4連続得点で8-8の同点とする。しかし、大島はここから意地を見せ、ラリー戦で得点を挙げると、9-9から2連続で得点を重ね、ゲームを取り返して1-2とした。

第4ゲームに入り、吉村のフォアハンドが火を噴く。1-1からフォアハンドがストレートに決まると、強打を2本叩き込むなど、4連続得点とする。大島もチキータで2点を取り返すなどで1点差まで盛り返すが、吉村のフォアハンドが息を吹き返し、サービスエース、チキータなどで一気に5得点で勝負をつけた。11-5で第4ゲームを奪取し、ゲームカウント3-1で吉村が勝利し、開幕戦の雪辱を果たした。

T.T彩たま坂本監督は、前日から吉村に第2マッチの出場を告げていた。

「（吉村）真晴はずっと悩んでいて、2人で話し合っていた。前日に『思いっきり負けろ』と言ったら、思いっきり勝ってきた。彼の場合は安全なプレーをしたところで良いプレーは一つも出ない。良いところはアグレッシブでトリッキーなところなので、ここ1・2年は自分らしさを見失っていたと思う。（吉村には）試合前に『Tリーグで良いスイッチを入れる機会にしろ』と言った。重要なことは『東京五輪に出場することで、世界選手権で勝つこと』だから。Tリーグをきっかけにして、彼の元通りのスタイルに戻れるのが一番良い。」と坂本監督は、吉村と話し合いを設けてアドバイスを送ったことを打ち明ける。

吉村は「自分の中では戦略を組んでいて、水谷さんがダブルスに出場するので、大島か張本と対戦するだろうと予想していた。張本は試合を進めながらでないとわからないことがたくさんあるので、大島とイメージをしながら今日を迎えた」と前日からこの日を迎えるまでの状況を語る。

「戦略も良かったし、自分らしいプレーもできた。サーブも良かったし、相手にチキータをさせてからの展開で、バックハンドをつぶしていく。開幕戦は、バック対バックとなった時に、大島の流れになって試合をしてしまった。バック対バックをしながら、うまくバックストレートを使う。フォア対フォアになれば、フォアストレートを使う。徹底して戦術を組むことができて良かった」と勝因を話した。

そして「シングルスで勝利した勢いを買って、ビクトリーマッチに起用した」と坂本監督が明かす通り、吉村はビクトリーマッチで張本と対戦する。張本に対しては良いところなく敗れる結果となった。

「スリルはあり、非常に楽しかった」とビクトリーマッチの魅力について話すが「前半2-3で負けているところから、凡ミスをするなど、前半で離されてしまった。こうなってしまうと、相手（張本）はアグレッシブに来るので、自分も攻め急いでしまう。良い経験はできたけど、悔しい結果に終わった」と敗因に触れた。張本については「圧倒的な打たれ強さもあるし、バックハンドは世界のトップレベル。世界トップ５の強さを感じた1ゲームだった」と強さに対して納得するしかなかった。