【ノジマTリーグ】相馬夢乃はフルゲームの末浜本に敗れたものの収穫は大 20181223

文・写真 マンティー・チダ

12月23日、日本ペイントマレッツ(以下ニッペM)は木下アビエル神奈川(以下KA神奈川)とアリーナ立川立飛で対戦し、マッチカウント1-3で敗れた。

この試合の勝負を分けたのは、第2マッチのシングルス。ニッペM#2相馬夢乃は、Tリーグで2戦目を迎える。相手は#4浜本由惟(KA神奈川)だった。

強打が売りの浜本に対し、カットマンの相馬がどう対応するか注目された。第1ゲームは浜本が優勢に立つ。相馬もカットでラリー戦に持ち込むが、浜本のフォアハンドに押し込まれた。相馬は2点ビハインドで浜本に喰らいつき、5-7からは相手のネットを誘い7-7の同点まで盛り返す。しかし、浜本はフォアハンドドライブをクロスに決まると、そこから4連続得点で一気にゲームを獲得。11-7で第1ゲームは浜本に軍配が上がった。

第2ゲームに入ると、今度は相馬が相手のミスに付け込み、出だしから4連取する。浜本も3点ビハインドで追走するが、ラリー戦に持ち込んで粘った相馬が引き離し、先にゲームカウントを迎える。浜本に3連続得点を許し、2点差まで追い込むが、結局11-8で相馬がゲームを取り返し、1-1の五分に戻す。

第3ゲームは、立ち上がりで相馬が強打で意表を突くなど3連続得点を果たす。KA神奈川はここでタイムアウトを請求すると、流れを変えることに成功。0-3から浜本はフォアハンドをしっかり打ち込み、バックハンドも確実に決める。1点を途中で失うが、6得点を獲得し、逆に6-4でリードを奪う。互いに点を取り合った後、相馬が6-9から粘りのカットで相手のミスを呼び込み、結局5連続得点でこのゲームを獲得。11-9で相馬が王手をかけた。

第3ゲームで優勢に立ちながらゲームを落とした浜本は、第4ゲームで6連続得点を果たし、出だしから主導権を奪う。相馬も食い下がるが、ラリー戦でしっかり決めきれた浜本がこのゲームを11-5で勝利。この結果、勝負の行く末は第5ゲームに持ち越された。

第5ゲームは、出だしから相馬が先制したが、浜本が強打で相手のショットミスを誘い、11-9でこのゲームを奪うと同時に、ゲームカウント3-2で浜本が勝利した。

「相馬はさすがと思うぐらい適応能力があるが、チャンスを作っても決めきれないというところも国際大会で戦っていく中で、カットマンの宿命だと思う。しっかり決められるような攻撃的なスタイルを身に着けていかないといけない」とニッペM三原孝博監督は相馬をこのように評価する。相馬のようなカットマンは、如何に相手のショットを拾い続けられるかが大事だが、しっかり相手の懐に突っ込んでいくカットも求められる。

相馬はTリーグ2戦目を迎えていた。「会場の雰囲気にも慣れてきてチャンスはあったが、勝ち切れなかったのは悔しい」と試合全体を振り返る。

この試合のポイントになったのは、第5ゲームだった。「第5ゲームの8-6とリードをした場面。リードするといつも頭が真っ白になるタイプなので、試合前からリードしたことについても準備していたが、この試合では修正できなかった」と敗因とともにその場面を振り返る。

8-8となって、ニッペMベンチはタイムアウトをコールする。「コースを変えようと指示を出した。だんだん慣れてきているので、遅く形ではなく、なるべく早い形で取って、なるべく強く打たせないようにと言ったが、足が動かなかったので適応はできなかった」と指示内容を明かした。

相馬は「8-6から2本連続取られて、流れが悪い中でタイムアウトだったので、受け身になってしまった」とメンタルも整っていなかった。

2018年世界ジュニア選手権では銅メダルを獲得したが、この日の相手、KA神奈川には共に戦った長﨑美柚・木原美悠が所属し、ダブルスで結果を出している。「大事なところで勝っているので、自分も早く追いつけるように頑張りたい」と意欲を示した。

まだまだ伸びしろは十分にある。若手有望株でカットマンという事であれば、結果を残せば残すほど、指揮官はアクセントとして起用してみたいはずだ。近い将来、日本女子卓球界を背負うカットマンとして、私たちに成長を見せてほしい。

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